Log(きょうごく)

きょうごくのLog

都内在住の大学生の日記風ブログです。いや日記です。

見えない追いかけっこ

「俺の友達を一晩泊めてあげてくれん?」

 とっても仲良しの友達からラインが来た。

 意味不明やなと思いながら、「いいよ、ウェルカムって言っといて」って返信した。

 

 次の日、その友達の友達はインターン最終日の飲み会後にやってくるとのことだった。僕は駅近くのサイゼリアで時間をつぶして彼が来るのを待っていた。バイトから家に帰ってまた駅まで迎えに行って、が面倒だったから。ドリンクバーのコーヒーが終わっていて大変残念だった。代わりにコーヒーゼリーを注文した。

「駅に着きました。これから向かいます」

 2つも年上であるはずの彼は律儀にも敬語でラインしてきた。焦った。向かいます? 僕は今サイゼリアコーヒーゼリーを崩している。

「駅に迎えに行くよ」

 年下のくせにタメ語で返信した。きっかり1分待ったけど既読はつかなかった。すぐにお会計をして飛び出した。コーヒーゼリーはアイスクリームが乗っていてかきこむには冷たかった。

 駅からウチまでは歩いて10分の距離。急げば先に家に着くはず。途中何度もラインを確認したけどやはり既読はつかなかった。来てもらわなくても大丈夫です、という無言の配慮が見えた。彼の配慮を無下にはできない。大通りをさけて小走りしながら僕はいったい何をやってるんだろうと思った。

 既読がつく前にウチについた。窓を開けていたせいで部屋の空気が冷たい。窓を閉めて暖房をつけこたつのスイッチをオンにした。息を整えながらソワソワしていたら間もなくラインが来た。

「いえ大丈夫です、着きました。何号室ですか?」

 その前のメッセージから15分。もっと道に迷ってくれて良かったのに。部屋は充分あったまったかなと思いながら部屋番号を返信した。インターホンが鳴った。

 

 次の日の朝、遅くまでおしゃべりをしていたせいで寝不足であろう彼は部屋を出ていった。ホテルでもネカフェでもどうにでも都合がつく一泊を友達の友達という名の他人の部屋に泊まったのは面白いほうに1票を投じてみたと言っていた。なるほど、少し面白かった。感覚の若干ずれてる気のした共通の友人の提案も頭ごなしに否定したもんじゃなかったな。今度もし会うことがあったらサイゼリアからウチまでの追いかけっこは笑い話にしよう。