Log(きょうごく)

きょうごくのLog

都内在住の大学生の日記風ブログです。いや日記です。

ずるいよね

 バイトからの帰り道、めっちゃ久しぶりだね、な大学の友達に会った。去年の夏にオーストラリアに短期留学したときに知り合った友達だ。

 一緒の留学メンバーだったといっても留学先でいつも行動を共にしていたわけではもちろんないし、寧ろ同じ大学から来た日本人とオーストラリアくんだりまで来て親しくしてももったいないとすら僕は思ってたくらいで、とは言ってもやっぱり日本人同士の肩の力を抜けられるつきあいに逃げたりもして、まあまあぼちぼち仲良くはなった、みたいな友達だ。留学後にご飯を一緒に食べに行ったりもしたことはあるけど、交流は特に続かず大学で顔を合わせることもなく、実に半年ぶりくらいに会ったことになる。

 帰り道が一緒だったので思い出話でもぽつぽつ喋りながら小学生の通学路にもなっている道を並んで歩いていた。あのときはあんなことがあったねあいつは面白いやつだったよな去年の冬にラーメン食ったのはどこの店だったかな。長くて暗い通学路に中見の薄い会話をつなげる。日が沈む前、小学生たちはこの道を一瞬で楽しそうに駆け抜けていく。

 彼がふと、そういえば他の留学メンバーも最近は会わなくなったけどどうしているかなと言った。 

 僕には未だに交流が続いている留学メンバーが他に3人いる。月に1回くらいの頻度で飲んだりしている。共通の友人がいたこともあり留学後に親しくなったのだけど、この彼がなぜそのメンバーに入っていないのか今ではよく思い出せない。自分以外の人たちとはあまり関わりがなかったっけ。

 とにかく、留学後から今になっても一部のメンツでは交流が続いていることを彼は知らない。もちろん、来週そのメンツでマレーシアに旅行に行くことも。

 僕としてはこの彼を疎んでいるわけでもないし腫れ物扱いはしたくないのだけど、事実として留学直後はみんなまだ少しよそよそしかったはずの親密度に今では差ができた。彼の預かり知らぬところで旅行が計画されていたなんて知るとすごく複雑な気持ちになるだろう。

 だから、僕は今でも良く会うやつもいるよ、程度の曖昧な受け答えしかできなかったし、そのことで自分はずるいやつだと感じずにはいられなかった。彼が傷つくとしても正直に話す勇気も、旅行は無理だとしてもこれからまた仲良くしようとする甲斐性も僕は持っていない。ただ、彼に僕が嘘をついたとまでは言えなくても旅行のことを隠したことがバレないように他のメンツに根回ししなきゃという卑怯さだけ頭の中で働いた。

 でもこんなことは良くあることだよね、といっそ開き直って思わなくもない。以前高3のクラスメイト20人近くで集まっての同窓会もどきの会が計画されたとき、どうせなら全員に声かけて同窓会にしちゃえばいいじゃんと友達に言ったことがあるが、テーブルの隅で飲み終えたグラスのマドラーをカラカラ回してるやつがいたら気の毒だし気を使うだろ? というようなことを言われて同意を示したこともある。でもそれを気遣いと呼ぶならその気遣いがバレないようにするまでが気遣いになるし、結局は自分達のご都合だ。「金のお皿を頂いても畏れ多くて実際使えないわよね。ですから気を利かせて代わりにこちらの実用的な銀のお皿をお渡しして、仕方がないので金のお皿は私どもが頂くことにしましょう」と会うもの同士で納得し合うのだ。同じ環境やコミュニティの中でも親しいものそうでないものは当然いるし、無理に取り繕うことではないよなあ。そう思ってみるんだけど、そういえば駆けてく他の子に追い抜かれながら1人でぽつぽつ歩いている小学生のランドセルはこの通学路を歩くには重そうに見えたっけ。