Log(きょうごく)

きょうごくのLog

都内在住の大学生の日記です。

老いた愛犬が生きているうちに

 ミナトが我が家にやってきたのは14年前だった。確か、新聞か何かに掲載されていたのに名乗りをあげて貰い受けた。名前がミナトなのは港町で生まれたからだ。いたってシンプル。ちなみに名前からは分かりにくいけど女の子。いや今ではおばあちゃんだ。そう、具体的には分からないけれどミナトは人間の年齢でいうとかなりのおばあちゃん。お医者さん曰くいつ死んでもおかしくはないそう。なので、僕が3日後に実家を離れてまた帰省するまでの間にもしかしたらミナトは死んじゃうかもしれない。……いや多分そうなると思う。今のうちにミナトとの思い出でも振り返っておこうかな、というわけで。

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2年前のミナト

 ミナトは水が苦手だ。今も昔も。水中で懸命に足を動かして犬かきで泳ぐ犬の映像を見たことがあるけど、たとえ子ども用であろうともミナトをプールに放り込もうものなら救命胴衣をつけてからじゃないと不安だ。キャンキャン吠えてパニックになるのは間違いないだろうな。なんたってミナトは犬のくせに猫のニャースみたいに肉球に水がついただけで怯えるくらいだから。あ、でも犬らしく雪が積もったときは喜んで庭を駆け回っていたっけな。

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1年前のミナト

 ミナトは少し前までは決してつながられている車庫と庭の一角周辺でトイレをしなかった。散歩に行ったときにマーキングするおしっこを残しておきたかったのかもしれないけど(散歩に行くと一度に全部のおしっこをしないで何回にも分けて色んなところにしていた)、単純に居住スペースはきれいにしておきたかったんだと思う。それが今ではおしっこもうんこも庭にお構いなしだ。人間と同じで年をとってゆるくなったんだろうなあと思って寂しくなる。むかしは夜中でも元気が有り余っていたようで木製の犬小屋を食い破って脱走したことがあったので夜間は厳重に監禁されていたミナトだけど、今ではおしっこがもれちゃうのでいつでも外に行けるように犬小屋の扉は閉めなくなった。それに最近のミナトはリードを手放しても逃げないしそれどころかきちんと家に帰ってくる。昔はちょっと気を抜こうものなら走り去って逃げて行ったというのに。なぜかは分からないけど当然当たり負けするのに道行く車に突進しようとしたりしていたのに。おとなしくなったミナトを見ると手がかからなくなったけど、やっぱりしんみりしてしまう。

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昨日のミナト

 分かる人には分かると思うけど、ミナトの顔もだいぶおばあちゃんになった兆しが確認できる。後ろの左足が弱くなっているらしく、昔みたいに元気に走り回ったりしないし、おすわりさえきちんとはできなくなった。昔なら「おすわり!」と言えばちょこんと座ってみせたミナトは、今では何度呼びかけても気だるそうに足を投げ出して寝るだけだ。エサを前にすると一応おすわりをして見せるけど、痛い脚をかばうせいかだらっと座る。うまく伝えられないのだけど、人間に例えると足がしびれてちょっと足を崩した正座みたいな微妙なおすわりをする。……できるなら、もう一度だけであのちょこんとした可愛いお座りを見せてほしいなあ。