Log(きょうごく)

きょうごくのLog

都内在住の大学生の日記風ブログです。いや日記です。

かつてあのとき僕はなんであんなに走れたんだろう

 昨日僕があるいた距離はスマホのアプリによると10km以上ありました。実際かなり疲れましたからね。なるほどそんなに歩いていたのかって自分を褒めたたえたんですけど、よくよく考えたら10kmってそんなに立派な数字だったっけって。窓の外の、きれいに刈りそろえられた坊主頭みたいなまだ背の低くて青い稲の田んぼをみて思います。

 話は僕が中学生だったときに遡ります。全国どこでもあったと思うんですけど、秋に駅伝の大会がありました。僕の中学校ではその大会に向けて夏休みに駅伝部が結成されます。陸上部の長距離選手はもちろん、野球部やサッカー部、バスケ部などのスタミナ自慢達が集まります。「スタミナ自慢」とは言いましたが、実際は皮肉にも体力があるために、または各部活の方針で強制参加させられたメンバーが中心です。サッカー部だった僕も1年生から3年生まで毎年嫌々参加していました。

 今思うと、当時の僕の体力は無尽蔵だったなと思います。田舎の中学生の僕の夏休みはほとんど毎日同じスケジュールでした。

 まず朝8時から10時まで駅伝部の練習で校庭をぐるぐるします。毎朝グラウンドに着くたびに憂鬱になってました。汗だくになって呼吸はとっくに限界で苦しくて、頭の中では残り何周かだけ数えてて。この数字が全然減らないんですよね。この2時間で10kmは軽かっただろうなあ。

 その後は正午くらいまでサッカー部の練習。これも普通にハードだったけどまだ気楽だった。ボールを蹴るだけで精神的に質が全く違った。

 部活後は1度家に帰って昼飯をかきこんだ後すぐに友達の家に集合。そこから上り坂をチャリンコ30分走らせて俗に淵と呼ばれる山間の川へ。主に何して遊ぶかというと淵から飛び込むんです。中学生って良くも悪くもアホですから、アホみたいに高いところから飛び込んじゃうんです。

 飛んだ次の瞬間には内臓まで風を感じて、一瞬つま先から頭のてっぺんまで棒のように白く固くなる。着水の瞬間、世界は一気に色を変えて、深く深く潜り込む。あまりに深く潜りこむから、すぐには元の世界に帰れなくて、必死に水をつかむ。

 調子乗ってポエミーになっちゃいました。でもこんなかんじですね。スリリングが楽しかった。地元の中学生の聖地になっているその淵に、どこからその存在を聞きつけたのかどこぞの大学生が遊びにきたことが1度ありましたが、大学生ズは誰も飛び込めませんでした。当時のアホな僕達は年上の彼らを度胸無しだとさんざん冷やかしたけど、常識的な大人はあの高さに命の危険を感じずにはいられなかったのかもしれませんね。多分、今の僕は飛べないかな。

 帰り道は山から下りていくので下り坂で、濡れた体を強烈で自然な向かい風が乾かしてくれて。町に2つしかないコンビニの1つが下り坂のおわりにあって、そこでお菓子やカップラーメンを買って食べるのが最高の贅沢でした。

 田舎の中学生には娯楽も少なくて毎日飽きもせずこのパターンを繰り返してました。何が言いたいのかというと、田舎はそれはそれでいいとこあるんだよって伝えたいわけではなくて、いやそういう思いもあるんですけど、かつての僕の体力はすさまじかったなあと。10km歩いただけで今日はよく運動したなんて14才の僕に言ったら確実に笑われるでしょうね。当時の僕はいったいチャリンコを含めてどれだけ走っていたか。苦労自慢ですけど、夏休み後の、駅伝の大会前の毎日の学校があったときも毎朝6km以上は走ってました。そして放課後もこりずに走る。何思いで僕は走ってたんでしょう。いや、何も考えてなかったんだと思います。ただ毎日目の前のことだけに必死だった。大人になるにつれて目の前のことだけに必死になれる時期が短くなった気がします。

 今、久々の地元の田舎の景色を車窓から眺めてこの記事を書いたところです。