Log(きょうごく)

きょうごくのLog

都内在住の大学生の日記風ブログです。いや日記です。

【日記】無謀だった5分間

 英語の授業でプレゼンがあった。テーマは理系らしくテクノロジーに関することならおよそ何でも良く,時間は5分間。詳しくは知らないが英文学科やその他英語に真剣に取り組む大学生なら,いやそうでなくても5分間のプレゼンなんて余裕だと思うだろう。自分も朝飯前だと思っていた。

 だから前日の夜は英語のプレゼンの準備しなくちゃ,と思いながらついだらだら。英語の授業が午後からで午前は休みだったのをいいことに,テーマを決め参考にする記事の目星だけつけて寝てしまった。

 僕は早起きが習慣化しているほどできた人間では到底ない。当然のように11時近くまで重たい瞼は開かなかった。

 何が朝飯前か,もう昼前だ。大慌てでパワーポイントを作成する。作成したスライドの数わずか5枚。タイトルと参考文献のスライドを除けば内容はたった3枚。図や表などはもちろんない。中身の薄すぎるパワポ。健康にうるさいおばあちゃんの作るカルピスの方がまだ濃い。

 原稿も考えなければならなかったが,時間がない。とりあえず日本語の記事をGoogle翻訳に訳させる。だが,ご存じの通りGoogle翻訳で作られた英語の信用度は決して高くない。さらにプレゼンは原稿を見ることを許されていないのだが,自分で作っていない英文など頭に入らない。微妙に内容が専門的なので知らない単語も多い。

 すぐに時間はやってきた。原稿は8割くらいは書いた。だが頭にはあまり入っていないし,プレゼンの練習自体を全くやっていない。休めば単位は認定されないので行かざるを得なかった。諦めてパソコンを入れた鞄を抱えて大学へ走る。

 しかしまだ希望はあった。時間の都合上,全員が一度の授業でプレゼンをすることはできないので今週はパスされる可能性があった。

__頼む,来週にさせてくれ...!

 だが残酷にも願いは届かず。自分のプレゼンは5番目だった。90分の授業では自分の番が回ってくることは必至。他人のプレゼンの間中,頭に原稿をたたきこんだ。自分がするであろうプレゼンと比較してクオリティの差に懸念もあったが気にしてられなかった。

 そして順番はやってきた。先生が自分の名を呼ぶ。力なく教壇に立つ。

__大丈夫だ,落ち着け。ゆっくり喋れば5分はすぐにたつ。

 開始15秒くらいで言葉につまった。当然だ。練習していないのだから。うまく表現できない。「うまく説明できないんですけど」と断りを入れて伝われと思いながら適当に喋る。文法などあったもんじゃない。

 何を話す予定だったか思い出せず,何度も躓きながら無理やり言葉をつなげる。躓きすぎて膝小僧は,もといメンタルはボロボロになる。曲がりなりにも用意していた原稿の軽く半分は話せない。それでも先生は頷きながら耳を傾ける。僕はそんな先生に「そろそろ5分くらいですかね?」と表情で時々問いかけるも先生は相変わらず僕に不安を抱かせないたたずまいを崩さず何も言わない。先生は7分経ったら強制的に終わらせると言っていたが,5分たったかどうかは教えてくれない。そのためいつ止めればいいのか分からない。もし時間が来ているのならスローウォーキングから駆け足に変えてさっさとゴールテープを切りたかったが,そのタイミングが分からないので七転八倒しながら歩くしかなかった。

 結局自分の用意したネタが尽きるまでゆっくりとした歩みを保った。総括も結びの言葉もなく,我ながら意味不明な終わり方をしたと思う。というか終始意味不明だったと思う。

 先生は僕の用意不足を咎めることをせず,僕のlawの発音がrawだったと笑みを含ませ,スライドを指して複数形のsが抜けてるよとだけ言った。