Log(きょうごく)

きょうごくのLog

都内在住の大学生の日記風ブログです。いや日記です。

オーストラリア留学記 #23 シドニーで見知らぬオージーガールズと騒いだ話

 東京に来たからとりあえずスカイツリーみたいなノリで往復の飛行機代約25000円出してやってきたシドニー。来たはいいけどノープランもノープランで全くすることがない。特に目的もなくぶらぶらして有名なオペラハウスの外観だけ見てきて夜はビアガーデンに行ってみた。ビールを飲んで雰囲気に酔ってみた。

 ブリスベンと同じくシドニーでもフェリーはよく使われてるようだった。フェリーに乗って予約していたホステルに向かう。

 フェリーに乗ってデッキにでてみると現地のオーストラリア人だろうか、自分たちとさほど年が変わらないように見える女の子たちが7、8人歌って騒いでいた。もちろん何を歌っているのかは分からないけど楽しそうだ。スマホで自撮りをしまくっている。インスタのストーリーでもあげるのかい?

 夜のシドニーを走るフェリーの風は冷たくて、テンション上げて体温上げていかないとやっていけない。いや、寒いなら中に入ればいいだけの話なんだけれども、中でおとなしくしてるのもなんかもったいないような気がするから。↑アゲアゲ↑な気分になるために日本人三人でJ-POPを歌いまくる。有名どころを思いついたやつから歌いだして歌えなくなったらまたいきなり誰かが歌いたいやつを歌いだしてそれに乗っかって…日本の街中でやったら頭のおかしい集団かと思われそうだったけどこういうのは楽しい。バカをやるってやつね。もちろんオーストラリアの街中でやるのもクレイジーだろうけど。ビアガーデンでお酒も入ってたし女の子たちも騒いでるし周りの目なんて気にしないでこちらも騒いで楽しんでいた。

 

 そのとき歌っていたのは「イケナイ太陽」だった。

ABC! 続かない♪ そんなんじゃ ダメじゃな~い♪

だって こころのお……

「Yeah !!!!」

 驚いて後ろを振り返ると、すぐ自分の後ろで女の子がスマホを構えてピースをしている。なにがなんだかよく分からかったがとりあえず「イエーイ!」って言ってピースして一緒に写真を撮った。その時の彼女たちの騒ぎようといったら表現しきれない。どうやら、あの日本人ノリいいぞ!みたいなかんじのことを喋ってたのだろう。その一枚の写真から急速に彼女たちとの距離が縮まった。

「Na~Na! Na~NaNa Na~NaNa~! Na~Na! Na~NaNa Na~NaNa~!」

 シドニーの明るい夜のフェリーの上。陽気な声が響き渡る。

 「イケナイ太陽」は名曲に違いない。言語の壁を越える。Na~Naしか言っていないがノリノリで歌える。ビバオレンジレンジ

 女の子たちと肩を組み熱唱する。女の子たちが自分も自分もと我ら日本人と写真を撮りまくる。

 ここは楽園か。外国人の女の子というのはみんなかわいく見える。いや、誰の目から見てもきれいに間違いない。そんな彼女たちとこんな楽しく騒げるとは。目が覚めたらベッドでよだれを垂らしていたなんてオチがついてきてもおかしくないほどだ。

 断っておくが自分は有名人ではない。アイドルでもないし、それほどのルックスがあるわけでもない。いたって普通の日本人みたいな顔をした日本人だ。世の中分からない。

 熱唱がひと段落すると改まって自己紹介。サラにマリーに……うん、みんなかわいい。オーストラリア人に年齢を気軽に聞いてはいけませんと聞いていたので年齢が知りたいが聞けない。とっても気になるけど聞けない。でも彼女たちは聞いてくる。

「日本人なの!?今いくつ?」

 日本人だよ、留学で来てるんだ。今19歳で……と言いかけて思い出した。

 俺は今日二十歳になったんだった。

「ちょうど二十歳!今日は俺の誕生日なんだ!」

 ありがたいことにとたんにハッピーバースデーの大合唱となった。笑顔でみんな歌ってくれる。Happy Birthday Dear ~ のところで名前をちゃんと覚えられてなかったのでぐだったけどそれも笑えた。おそらく先にも後にもこれほど印象に残る誕生日はない。昨日は二十歳の誕生日祝いがこれなんて切ないなあと感じたことが嘘のようだ。

 まだまだ喋りたいし騒ぎたかったが時間は無限ではない。このときほど時間が残酷だと思ったことはない。大学受験の「終了!」の合図なんて目じゃない。自分たちは降りなければならなかったが女の子は目的地はここではないらしい。急に訪れた別れが悲しすぎる。もう二度と会うことはないのかと思ったらもったいなくて仕方がなかった。

 フェリーを降りて「なんでFace Book とか交換しなかったんだろうな」と友達と笑って歩いたシドニーの街並みは夜でも明るく輝いていた。