Log(きょうごく)

きょうごくのLog

都内在住の大学生の日記風ブログです。いや日記です。

オーストラリア留学記 #21 日常と一週間フレンズ

 オーストラリア留学も残すこと1週間。とは言っても誰に何のおみやげを買っておこうかとか日本に帰ったら講義の履修やバイトのシフトはどうしようかとか先のことはまだぼんやりとも考えてなかった。いつものように学校に行ってクラスメイトと喋って友達と遊んで夕食の少しまえの6時くらいに帰宅。本当は現地のオーストラリアの人と仲良くなったので一緒にボウリングに行く予定だったのだが、都合が悪くなってしまって結局友達と二人ボウリングをしただけになってしまった。いつもよりほんの少し変わったことができると思っていたんだけど。

 家に帰るといつものように我が家の人に慣れすぎている犬たちは自分の帰りをしっぽをちぎれんばかりに振って出迎えてくれた。ホストマザーのエリザ(仮名)はいつものように夕食の用意をしていた。「今日のディナーは何?」とほぼルーティーン化している質問をすると今日のディナーはポークとパインと…といった具合で聞きなれたようなラインナップを教えてくれた。これもまたルーティーンで、棚からコップをとってきて冷蔵庫からレモネードを出して注いでいると、エリザに話しかけられたのでいつものように「今日はどうだった?」と続くのだろうと、もはや考えるまでもなく感じ取る。しかしいつもとちがった予想外の言葉に続いた。

「ジャパニーズボーイがここに来るわよ」

「…What?」

 今の英語は、はっきりと聞き取れた自信があるので聞き間違えたか聞き逃したことはないはずだ。しかし、話の切り出しかたが唐突すぎる。今から見ず知らずの日本人男子がやってくるから一緒に夕食を食べるよと言っているのだろうか。

「新しいジャパニーズボーイがここにホームステイに来るんだよ」

 ……なるほど。come here という単語だけでホームステイをしにくることだとは分からくないかと思いもしたが、それとは別に多少戸惑う。だが外国人と話すときはハイテンションで食いつき気味にしゃべる習慣が染みついてる頭はとりあえず大きめのリアクションをしてみせる。

「Wow! それはいいね!いつくるの?」

 胸のうちでは(えっ、なんでこの時期に?このタイミングで留学に来る人いる?とゆうかあと一週間待ってくれればいいのに、中途半端に仲良くなって帰る時に中途半端に別れを悲しむことになりかねないし……。それにどうせなら日本人じゃないほうが良かったな~……。)などとぐちぐち言いながらさも嬉しそうに喋る。

  父は留学前に言っていた。「一緒の家でホームステイする日本人がもしいてもつるむんじゃないぞ。仲良くするのはもちろん良いけどつるまないようにしろ。」と。せっかく海外に行くのだから現地の人と仲良くなっていろんなところへ連れて行ってもらったりするといい、という意味でだ。言っていることはよく分かるし自分もそうしたいところだが、そううまくいかないところが現実。言い方を変えればオーストラリア人と仲良くなって休日に遊ぶなんてことがなかなか叶わないあたりが己のコミュ力。いや、本当は今日その希望は叶いかけていたのだが。その一回の機会のみで一喜一憂するあたりが己のコミュ力がいかほどか表している。

 

 次の日彼はやってきた。いつものように帰宅し、いつものように我が家の犬は元気に出迎えてくれたが、待っていたのはいつもとちがってエリザだけではなく日本人もいた。一応エリザもいたので英語でお互いに自己紹介。

 自分と同い年で同じ大学に留学に来ている日本人。三ヶ月の留学で来ているのであと二ヶ月程滞在期間が残っている。自分とほぼ同時にオーストラリアにやってきてホームステイをしていたが、ホームファミリーとの間になにかしらの問題があってファミリーをチェンジ。これが新しく来る日本人のプロフィール、名前は太郎(ということにしておこう)。

 

 記憶が消えるわけではないけれどたかだか一週間フレンズ、父の言葉など意識してもするだけ骨折り損だろう。慣れ切ったホームステイ生活の残り一週間の日常が変化するのは多少抵抗があるが、一週間フレンズだからとよそよそしくするのもおかしなことだ。女の子だったらもし記憶の残らない本物の一週間フレンズだったとしても仲良くするんだけどね。