Log(きょうごく)

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都内在住の大学生の日記風ブログです。いや日記です。月・水・土曜日に更新しています。

オーストラリア留学記 #10 外国で考える、陽キャと陰キャ

 この世には2種類の人間がいる。

 慣れない環境の中でも様々な人たちと会話を弾ませ、そのコミュニケーションスキルによってその身に明るい空気をまとう者と、慣れない環境に投げ込まれようものなら会話はおろか萎縮することしかできずその身を日の当たらない影へと寄せる者だ。 

 もっとわかりやすく表現しよう。陽キャ陰キャだ。

 自分はどちら側の人間だと考えるだろうか。かくいう自分はどちらかと言えば陽キャに分類されるまではなくても陰キャに分類されることはまずありえないと信じていた。しかし、それは信じこもうとしていだけだったのかもしれない。

 

 そんなことを考えたのはジャパンクラブでのことだった。

 ジャパンクラブとは日本語を学んでいたり日本が好きだったりするオーストラリア人の集まるクラブのことだ。自分に言わせれば物好きの集団といったところだが。以前このクラブが開いていたゲームの催しに参加したのだが、これがなかなか楽しかったので定期的に週二回開いているただ会話を楽しむだけの会にも参加してみた。

 

 さて、現地の友達が欲しいと常日頃から望んでいたわが胸を期待に膨らませていざジャパンクラブに来た自分は、早々に理想と現実のギャップを受け入れるために嵐のように激しい思考に飲まれていた。

 

 来るのが遅かったか。やはり開始時間よりも早くきて雰囲気に慣れておき、自分と同じように友達を新しくつくりたい人をさっさと捕まえるべきだったか。いや、一人で来たのが愚かだったか。日本人の友達で誘えば来るやつは何人かいたのだから誰かひとりくらい連れてきていればもっと積極的になれたかもしれない。いやいや、そもそも自分はいくら日本では取り繕えていたところでやはり根の部分が陰キャなのだからこうゆう場所にきたのはお門違いだったのかもしれない。そうだ、やはり自分は所詮蝶になろうと夢みていた蛾。いくら擬態しようと根本的に種類が違うのだ。神様、なにゆえ私をこのように作ったのだ……。

 

 ネガティブ思考が暴走に拍車をかける。周りには国籍が違えどカタコトの英語や日本語で会話をしている大学生であふれていた。地元のオーストラリア人と仲良くしたい自分の目には彼らの様子が実際よりも和気あいあいとした楽しいものに見えて仕方がなかった。いや実際みな楽しくやっていたに違いない。それに対して自分はどうだ、母親とはぐれてしまった子供のようにうろうろしては不安ですと顔に描いたような表情をしていただろう。

 

「Are you OK? 」

 それみたことか。こんな心配をかけられるなんてどんな様子だったのか知れた…えっ?

「How are you? 」

「...…Good, Hello」

 驚いた。一瞬自分に話しかけられているのか判断できなかった。オーストラリア人が話しかけてくれた。しかも女性。女神か。

 

 彼女は日本人の女の子と話しているみたいだったが一緒に喋らないかと誘ってくれた。ああ、神様。さっきは恨んでごめんなさい。こんな願ったり叶ったりのことが我が身に起こるとは。

 緊張と喜びを含ませドキドキしながら自己紹介をして話に混ざる。

 ここで正直に言うとこの後何について喋ったかはほとんど忘れてしまった。実際は近くにいた男女数人とも友達らしかったが、女の子二人と楽しくお話をしたのだ。しかも二人とも美人。とくに日本人のほうはとても綺麗だった。覚えているのは日本人の女性が綺麗なだけでなく英語が上手だったこととオーストラリア人の女性のカタコトの日本語がかわいかったこと。他に覚えていることと言えば、春風に舞うたんぼぼの綿毛のようなフワフワとした心地よいなんともいえない気分ぐらいだ。

 

 最後にオーストラリア人の女性とFace Bookを交換できた。この上ない喜びだ。

 たとえ陰キャだったとしてもジャパンクラブに行くという行動をしなければこの奇跡は生まれなかった。やはり何か求めるならばまず行動だ。いや、そもそも一時間も外国人の女の子を交え会話を楽しんだ俺はやはり陰キャなどではない。陽キャだ。

 

 ……いや、本当に陽キャならFace Bookを交換したにも関わらずその後一度もメッセージを送れないなどということはありえないかも。